犬に似てる

「待て」はしないが「お手」はする。

賽を振るときは訪れ人生の岐路にたたずむっていうのはこういうことを言うのか

4月の卵巣嚢腫の手術は「片方15センチ大だと思われていたけど、実はもう片方も5センチくらい腫れており、両方悪いところは全部取った、卵管は通っている、一部焼いてるところもある、内膜症も取ってある、妊娠には問題ないでしょう」という結果で終わっていました。

そして、8月あたりになり生理が遅れるという事態が発生。私にすればとても珍しいことだったので、夫と「これは…まさか妊娠のワンチャンあるのでは?」とやや浮足立つも、ただちょっと遅れて普通に生理はやってきたのですが、思いのほか夫が残念がっていること、子どもが欲しいと思っていることを確認できたので、「排卵日知りたいでーーーす!」という軽いノリでルーズ先輩におすすめされた婦人科を受診してみることにしたのです。

 

そう、それが……おそろしい事実を知るきっかけになるとも知らずに……

 

先生は物腰柔らかでやさしそうな男性医師。しゃべり方も穏やかで優しい。聞き取りが終わってから恒例の内診。ここでまず2センチ程度の子宮筋腫があることが発覚!

えっ、待って待って4月に卵巣嚢腫の手術したとこなんですけど?!

気づかなかったってこと?! それかこの4か月でできたってこと?!……とザワッとしたのですが、先生の「この大きさでは特に心配はいりませんよ。もちろん経過観察は必要ですが、妊娠にも問題ありません」と言われてとりあえずホッ。

エコーで卵子が見えることに驚き。先生に「20mmになったら排卵するから、5日後くらいにタイミング取ってみてください」と言われて了承。

そして、「卵巣嚢腫の手術をしてるんだったら、血液検査はしておいた方がいいです。自費になりますけど…」と言われ、(先生がしておいた方がいいって言ってるんだからいいか)と軽く血液検査をしてもらうことに。

 

そして、この血液検査の結果が、私と夫にひどい衝撃を与えることになるのです。

 

血液検査の結果を聞きに行った時、先生の顔を見た瞬間にわかったんですよね……

あんまり検査結果良くなかったんだなってさ……!

 

検査の結果、私の卵巣機能は割と衰えており、さらに残っている卵子の数が非常に少ないことがわかりました。「生理周期が短いことも関係しているかもしれないし、体質的なものかもしれない。手術の影響はもちろんある」とのこと。

そして、「急いだほうがいい。二人目や三人目も考えるならなおさら。残っている卵子が少ないということは、質のいい卵子も少ないということです。だから確率の高い体外受精をすすめます」と先生は言いました。

 

体外受精ッ!!!!

 

そ、それ、不妊治療でよく聞くやつや!!!!

私って不妊やったんかーーーーー!!!!

 

とは思いましたが、「私の体ポンコツかよ!」とも思わなかったし、「うそ……妊娠できないってこと…?!」と落ち込むこともありませんでした。

2月に卵巣嚢腫の診断を受けた時に「子どもが持てないかもしれない」「持てなくても仕方ない」「子どもいない人生もありだな!」と覚悟を決めていたから。

もともと「子どもぜぇったい欲しい!」と思ったこともなく、「ふつう、結婚したら子どもを持つっていうのがセオリーなんだろうな」というくらいのドライな気持ちしかなかった。

確かに周りの友だちがどんどん妊娠して出産していく中で「私はどうしよう」と焦ったことはあったけど、「周りの友だちが妊娠してるから妊娠したい」のか「私自身妊娠したいと思っている」のか、本当に分からなかったんです。だから、その検査結果に大したショックも受けませんでした。

 

私自身は子どもができなくても構わないと思っていても、それで両親をガッカリさせることだけが私を落ち込ませました。あからさまに「まだか」などとプレッシャーをかけるような両親ではないけれど、「ああ、早く孫の顔が見たいんだな…」と察することが何度もあったから。できれば孫の顔を見せてあげたいと思っていたから。

だからこそ、伝えるのに勇気がいりました。

「子どもできないかもしれない」って、なかなか言いにくくないですか?! ねえー! そうでしょー?!

でも大事なことだし、ずっと期待させ続けるのも酷……早く伝えておかないとと思っても「次の生理が来たら言おう」と2か月先延ばしにしてしまったし……。

そう、過去形ということは、両親に! 伝えたんですよ!

表向きは「そうか、わかった。どうするかは口出しすることじゃない、二人で決めなさい」と言われました。でもお母さんがこっそり涙をぬぐっているのをちらっと見てしまった。泣き出しそうになるのをこらえて、笑って「ま、そう言ってても普通にできるかもしれないし!」とか言って、世間話をして、家に帰りました。

「親のために子どもが欲しいのか、いや違う」と常々おもっている私でもしょぼくれてしまいました。

 

「お母さんはもう私という赤ちゃんを抱いたじゃん、育ててくれたじゃん、それで良しとしてくんないかなーーーー!!!」と茶化して言ったら、「子どもと孫はやっぱり違うんちゃう?」とまじめくさった顔で言ってきた夫も、受診して聞いた事実を義母さんに伝えたばかりでした。

「お義母さんなんて言ってた?」と聞いたら「いや、もうあんたらの好きにしーって。孫はどうやとかなんや言うつもりは最初からなかったって。ただ、子どもができひんかったらあんたらはどうするんやって言われたけど、『このまま普通に生活する。もしかして本当に子どもができなくて、それでも欲しいってなったら、養子とか里親とかを考えるかもしれへん』って答えたら、そこまで話し合いできてるんやったらもう何も言うことはないって」「だからそんな背負わんでいいから」と夫は言いました。い、イイハナシダナー…!!(感涙)

さて、その夫はというと「子どもは欲しいけど、いぬちゃんに無理をさせてまで欲しいとは思わん」という姿勢を崩しませんでした。前の職場で2年近く不妊治療をしている先輩(男性)の話を聞いていて、結婚する前から「不妊治療はしない」と公言していたのです。

体外受精をしてしまったら、できるまで終わりがないよ。しかもその終わりはいつ来るかわからへん。精神的にものすごくしんどいよ。いぬちゃんも4月の手術みたいな痛い思いをまたしなあかんねんで。俺はそこまでせんでいいと思ってる」「それに、うちは大丈夫ッ!」という謎のポジティブを発揮しだした夫。

このひと、本当に子どもが欲しいんだな……そういうことは早く言えー!

結婚して2年、夫が「お金」と「子ども」の話をやんわり濁していることにはずっと気がついていました。(とあることがきっかけで「お金」に関しては一気に話がすすんだのですが、それはまた別エントリで)

とかく、子どもに関しては結婚前に「やっと二人で暮らせるのに、子どものことは考えたくない」と言っていた夫。仲の良い友達夫婦に子どもができたと知った時も反応は薄く、生まれてからお祝いしに行ったあとにも「俺やっぱ子ども苦手やわ……」とも言っていたし、普段から「子どもには好かれない」「子どもが苦手」と時折こぼしていたので、私がそこから「このひと、あんまり子どもが欲しくないんだな」と判断したのは当然のなりゆきだったと思います。いや、子どもができるようなことはすごくしてましたけども……。

 

なのに!

おまえ!

卵巣嚢腫の手術をきっかけに、「俺はいつできても構わないから」などと言いだし、あげく体外受精の話が出てから「子ども欲しい」って、おまえさんよ……

 

マジかー……私と正反対の思考に走ってるやないか……(白目)

 

さて、私はというと、「どうするべー……(白目)」という感じ。

子どもは授かりものという通り、できるひともいればできないひともいる。体外受精に踏み切ったところで「確実にできる」わけでもない。それって普通の妊娠と同じでは……違うのはお金がかかることだよね……。

だってぐぐってみたり、ツイッターで検索かけてみたりしたけども、大金つぎこむ割にリターン少なすぎない? 博打要素多すぎない? バグかよ! ってなるわ! 保険適用早よ……!

 

たぶん、めちゃくちゃ子どもがほしい女性が私と同じ年齢でまるっきり同じ状況だったら、一刻も早く体外受精に踏み切ると思うんですよ。年齢も年齢だし。

でも私は「めちゃくちゃ子どもが欲しい」わけではなく、「欲しいかと言われれば困るけどまぁ欲しいと言えなくもないし、でも積極的に欲しいとは言わない」みたいな曖昧模糊で優柔不断な感じなのよね。

やっぱり私はというと、「できたらできたでいいし、できなかったらできなかったでいい」というスタンスしか取れないのです。

 

何年か経って、「ああ、あの時やっぱり体外受精をしておけばよかった……」「子ども欲しかったな」って後悔するのも嫌だけど、未来の私がどう思うかなんてことを今から四の五の言っても分からないし。

 

とにかく、現状維持で様子を見ていきたいと思います。

子どもがいない人生も、いる人生も、どっちもありだと思うからね。今思っていることをガガガっと打ってしまったので矛盾も誤字脱字もあると思いますが、感情の発露と思って大目に見てくださいませ。