犬に似てる

「待て」はしないが「お手」はする。

しくじりいぬき〜俺みたいになるな!

「ちょっと〜、ブログ書いてないよ〜」とはてなから来たメールもスルーして年を越し、存在を忘れかけていたこのブログ。

あけましておめでとうございます(ここでは今年初だからね!)

親愛なる友人のようにはてなさんが「おいおい、ブログ〜!」と再度更新の催促をしてくれたわけではないが、ブログに書かなきゃ、という出来事が起こったので筆を…いや、何度かパスワードを間違えつつはてなブログにログインした次第だ。

 

早速本題だが、私はきたる四月に手術のため入院することとなった。

卵巣嚢腫である。

実は昨年の九月あたりから二週間あけずに生理がきたり、少量の不正出血が続くことが時折あった。「これはおかしい…」と感じてはいたものの、婦人科の受診に踏み切らなかったのは、おかしいぞと思う生理が来たと思えば次はいつも通りの生理だったりして、自分の中でイマイチ決定打に欠けていたからだ。

しかし、そろそろ子どもができてもいいな、と夫と意見が一致したこと、友人から「うちは排卵日検査薬使ったよ!」という助言から、今年に入ってすぐ排卵日検査薬を使い始めたところで「やっぱりなんか変だ」と確信するに至った。

排卵日検査薬が反応しない。二周期続けてだ。

相変わらず極少量の不正出血も続いている。

 

一月末、実家近くのレディスクリニック受診を決めた。たぶん産むならここになるだろうし、と軽い気持ちで選んだ。評判も良かったし。

問診表に記入してから検尿、そして先生の問診。

「あーこの基礎体温じゃ排卵してないね」「すぐ子どもほしいの?」「ホルモンの検査するから、血液検査します」「子宮頸がんの検査もしときます?」という流れから、あれよあれよと噂に聞いていたあの足をパッカーンと開かされる器具に座っていた。

内診は「オエッ」という感想しかなかったが、先生が看護師に「血液検査はいらない」と言った声を聞いて(へっ?)となった。すごく嫌な予感がしたのである。

簡易ベッドに寝かされてエコーの画像を見ながら説明を受けた。

 

いわく「卵巣がすごく腫れてる。一番大きいところは15、6センチあるね」

 

な、なんそれなんそれなんそれ。

 

「腹腔鏡の手術で取れると思うけどね。有名な先生がいるから紹介状を書きます。先生は人気だから予約取りにくいかもしれないけど」

 

いやいやいやいや。待って待って待って。

 

「しゅ、手術はいいんですけど、どれくらい入院にかかりますか?」

 

私は社畜ではないが、反射的に手術するなら仕事休まなきゃ!と思ったのでこの疑問が飛び出したのだが、先生からは「それはここでは何とも言えない」という答えしか返ってこなかった。なんとなくでいいのに、ヤブ医者め!(八つ当たり)

まさか「ヤブ医者め!」と口にはできないので、「はあ」と適当に返事して診察室を出た。

車に乗り込んで、家へと帰る道すがら、やっと動揺が追いついてきた。

子どもができないかもしれない、夫に話さなきゃ、まだ仕事ちゅうだしLINEはやめとこう、親になんて言おう。

いろんなことを考えて考えて、考えているうちに涙が出てきた。悲劇のヒロイン気取りか、と自分にツッコミを入れたところで涙は止まらなかった。自分のナイーブさに驚きつつ、そのまま泣きながら家に帰ったが、落ち込むより先に元気を出さねば!と昼ご飯を作ることにした。

割と重大な問題に直面するのだから、ご飯を食べて元気出さなきゃ!!というわけである。私は生きようとする意志が強すぎる。食欲をなくしてこういう機会に痩せたかったが無理な話だった。

ご飯を食べてから、早速ぐぐってみることにする。敵を知らなければ何ともならない。

「卵巣 腫れ」で検索。あのヤブ医者(八つ当たり)は病名を教えてくれなかったからな!

もちろん出てくる出てくる。

卵巣嚢腫、腹腔鏡での手術は三泊四日程度、費用は15〜30万円、手術後は妊娠しやすいゴールデン期、などという情報を15分程度で入手。ててててーんてーんてってて〜! いぬきはレベルが上がった!

 

 

レベルが上がったとはいえ、不安は消えなかった。だって、本当に卵巣嚢腫なのか、これからどうなるのか、全然わからないままだったからだ。

とりあえず、現状できることはあまりない。

1 紹介状をもらう

2 予約を取る

3 病院受診する

 

両親には「3 病院受診する」が終わってから報告することにした。今のこのいろいろ不確定な状態で知らせてしまうと不安にさせてしまうに決まっている。

仕事から帰宅した夫に事情を説明すると、…あー…「こいつデリカシーねえないっぺんお星さまになって?(湾曲的表現)」と言いたくなるような対応もしてきたため、グチグチと話が長くなってしまいそうだから割愛させていただく。

とかく、現在1~3までのすべてのミッションをクリアした。4 両親に報告 も済ませた。

「妊娠した」という報告ではないという心苦しさはあったが仕方ない。ちょうど母親の保険にかませてもらったところだったので「あんた保険入っといて良かったなぁ」と言われたくらいだ。表面上だけでもガッカリした顔を見せず、ただ心配してくれたのはうれしかった。

 

さて、話は戻るが、3 病院受診する は、とにかく時間がかかった。だが、紹介状の先の先生はさすがに歴戦戦士なのか対応もさっぱりしていてとんとん拍子に話と検査が進んだ。

「子どもは希望してる?」「で、できれば!」「はいはい、挙児希望ね」

あ、子どもも大丈夫なんだ!とすごくホッとしたのを覚えている。予約を取って病院受診するまで10日くらい経っていて、その間に「子どもできないかもしれないな、それでもいいか、うん、しょうがない、そういうことだってある」と自分なりに覚悟を決めていたので拍子抜けしたともいえる。

時間がかかったのは、MRIの待ち時間が1時間半以上あったためなのだが、MRIの画像はさすがに「おお…」と思った。

ほんまにあるわ。丸い球体が。しかもでかっ! これほかの臓器大丈夫? めちゃくちゃでかっ!

卵巣嚢腫だねー、大きいねー…いや、大きいな…これは大きい…」「子宮より大きくなってるねー」「測ってみる? 16センチと…10センチ…大きいねー」とあまりに「大きい」を連呼され、なぜか「お、大きいですかー////」と照れてしまいながら卵巣嚢腫の説明を受けた。

「漿液性の卵巣嚢腫ですね。サラッとした液が入ってます」

卵巣嚢腫で調べていたので、腫れた卵巣の中に血が溜まっているもの、液体が溜まっているもの、髪の毛や骨(!)ができているものがあることは知っていたけど、液体だったか…。

「膀胱押されてますねー、これ取ったら頻尿は解消しますよ」

頻尿はね、めちゃくちゃ自覚があった。

何しろめちゃくちゃ頻尿だから。

どれくらいかというと、レディスクリニックに入る直前トイレに行く→15分もたってないのに「検尿とってください」→絶望→普通に出る、というくらい。午前中は特に頻尿なのですよ…。

でも「当帰芍薬散(水分代謝をよくしてむくみをとる)飲んでるからだな」と思い込んでいたから、これが解消するのはうれしい…!

 

「で、手術ですけど、いつにしますか?」

えっ、いつって、選べるの? 先生めちゃくちゃ人気だからこの予約もなかなかの滑り込みだったんですけど!

「うーん」と言いながらカレンダーをめくる先生。いやいやいや待って待って待って、めっちゃめくってるやん、それ何月? なるべく早く! 早く取っちゃってほしいんですけどォォォォ!

「一番早くてゴールデンウィーク…後…」

さすが人気の先生ーーーーー!!!! 遠いーーーーーーー!!!!!!!!(病院受診は2/8)

「あ、四月空いてるとこあるね、どうします?」

「そこで! お願いします!」

「はいはい。じゃあ前日から一週間入院ね」

「一週間?!(長ない?!)あ、あの、仕事はどれくらいからしていいですか…」

「一週間は診断書で休み取れるよ。元気なひとは退院してすぐに働くけどねー」

「一週間でお願いします!」

「ははは」

「やっぱりちょっと休みたくって…えへへへ…」

 

そういうわけで、手術日とその二週間前に麻酔科の受診日が決まり、病院をあとにした。

13時半前に病院に来て…帰るのが17時半て…くそ…MRIめ…。

 

そして現在二月も末。

特になんの制限もないまま普段通り生活をしている。仕事もしているし、夜勤もしている。先生に「何か禁止することとかありますか?」(セックスしないほうがいいですか?とは聞けなかったさすがに。シャイだからさ…!)と聞いたら「お腹叩かないで」と言われただけだからだ。

職場の方も「これから子どもを産む大事な体なのに…!」と心配され、入院一週間こみの二週間の休みも難なく取れることになった。それどころか「そりゃ仕事はきつくなるけど、そんなの問題じゃない」「もう四月いっぱい休んだら?!」などと言われ「それは大丈夫です!(年休なくなるー!)」という会話をしたくらい。

 

皆言ってくれるのは、「見つかって良かった」に尽きる。

特に「結婚してなかったら、ちょっと不正出血あったくらいで婦人科行く? いかへんやろ? 旦那さんに感謝やな。排卵日検査薬すすめてくれた友だちにも感謝」と言われた時はびっくりした。それは感謝しすぎやろ、と思ったけど、確かに放っておいたらもっと大きくなって破裂、または捻転して激痛のち手術、という未来が待ち構えていたかもしれないのだ。

先生も言っていたが、「自覚あるひとなんてそうそういない」そうで、15センチ大に膨れ上がっても気づかないのは普通のことらしい。私が特別ニブいわけではなかった、よあった…。

でも、おかしいな、とひっかかることはあったのだ。

まずは顎ラインのニキビ。しばらく見なかったニキビが暴れだしたのは九月頃、暴虐の限りを尽くしだしたのは十一月末だった。皮膚科にいっても治らず絶望に沈んでいたのだが、答えが出た。

「顎ラインのニキビの原因はホルモン」「ホルモンを司るのはー?」「卵巣ー!」

あとは、不正出血、生理周期の乱れっぷり。

 

なんでその症状が出始めたときに病院に行かなかったの?と言われるかもしれないけど、「これくらい平気だろ」と思っちゃったからである。たぶんきっと、そういうひと多いんじゃないかな。「元気なんだから、自分に限ってそんなことない」って思いがちじゃないかな。

でも「これくらい…」と思わずに、少しでもおかしいな、なんか変だな、いやだな、と思ったら受診した方がいい。自分の体が出してるサインを見て見ぬふりしちゃいかんよな、もっと信じてあげなきゃな、と思うわけで。

次から「おかしい」と思ったら即受診する、絶対。もちろん夫や家族にもそれをすすめる。いざとなったら首根っこひっつかんででも病院に連れていく。

何かあってからじゃ遅いんだもんな。

不正出血があったり、生理が長いことこなかったり、生理周期がおかしかったりしたら、何もなければそれで良し、と思ってまず病院に行ってみてほしいです。

 

と、いう話でした!(シメ方がわからんわ!)

 

 

しくじりいぬき~俺みたいになるな!~ 完